前途多難な『源氏物語千年紀Genji』出崎 統監督〜『あさきゆめみし』と物別れは必然か〜

フジテレビのノイタミナ枠で1月から放送予定の『源氏物語千年紀Genji』出崎 統監督が、原作として先に決まっていた『あさきゆめみし』と物別れしてしまった。



『あさきゆめみし』は原作を降板し、出崎監督オリジナルになる見込み。



私が知ったのは、いつもお邪魔しているブログさん「見ていて悪いか」からだったが、思っていたより、じわじわと波紋を広げ、大きなニュースになりつつあるようだ。



『あさきゆめみし』も出崎監督も両方とも知名度抜群(…いや、アニメ界はともかく、一般には『あさきゆめみし』の方が知られているかもしれないが)なのだから、当然の成り行きではあるだろう。



ここで問題点を整理してみたい。
・放送2ヶ月前に構想を変更して間に合うのか。
・原作者が先に決まっていたのを、後から来た監督が原作を蹴ってしまったという異例の事態にスポンサーは付くのか?(スポンサーは『あさきゆめみし』について集められていたのではないのか?まあ、ノイタミナ枠としてとった分は残るだろうし、京都でやっている「源氏物語千年紀」との協賛もあるようだからそこからなんとかするのかな?)



・原作だけでなく、キャラデザインも“とみながまり”から“杉野昭夫”に変わっている→イチから作ってて本当に間に合うのか?



・杉野昭夫に十二単衣は描けるのか?(とても美麗な十二単衣は期待できそうにない(苦笑))



…なんだか、細かく書いていくときりがない…。



しかも、むなしい…。



出崎監督は当初(10/10ニュース関連)、



「全11話という中でどう源氏をつかまえてゆくか、僕自身楽しみながら作っていきたい。源氏の男らしさ、すがすがしさを描いてゆければと思います」



と、語っていた。



いや、なんかこの時点からして『あさきゆめみし』の作品感どころか、『源氏物語』自体の作品感ともズレているように思う。



光源氏は、現代の価値観からいくと、別に男らしくはないし、すがすがしくもない。外見は希代のイケメンキャラ(平安朝版)だが、中身は違う。



紫式部も大和和紀もそんな源氏は描いてない。



光源氏は、初恋の藤壷の面影を求めて女々しく恋に執着し続け、悩み続け、最愛の妻紫の上を亡くしてから、やっとこの世の無常を理解して出家して、心の平安を得て(?)死を迎える。



人間味あふれる…というか愛すべきキャラではあるが、その実結構情けない男だ。



むしろ清々しいのは女君達の方に多い。



彼の、唯一評価できる点は、末々まで関係を持った女性達の経済的お世話を基本的には怠らないことである。当時の女性達にとっては、これだけでファンタジーだったのではないだろうか。(普通は、婚姻関係がなくなれば、経済的にも途切れる。光源氏の独占欲の強さともとれなくはないが。)



まあ、『あさきゆめみし』は、出崎監督がやらなくて正解だろう。



もし、アニメ化の機会があるなら、もっと違ったスタッフでイメージに忠実に作って欲しい。『るろうに剣心』のように、宝塚出身の中の人を持ってくるのもよいかもしれない。女性目線という点で、宝塚歌劇と源氏物語の相性は良いと思う(以前、宝塚では『あさきゆめみし』演ってるものね)。





出崎『源氏』を作るのは勝手だが、周囲を巻き込みすぎではないか。



出崎監督を起用したのが今回最大の失敗かも。



久々に出崎監督にとってやってみたい作品が回ってきたので、張り切ってしまったのかもしれないが、もう少し大人にならないとね。十分お年を召しているのだから。(映画『とっとこハム太郎』シリーズや映画『Air』、映画『CLANNAD』は、きっと生活のためとかで、本意じゃなかったのだろうなぁ…。)



結局、間に合わなくなって『のだめ』の再放送になったりしないか人事ながら心配だ。



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“一度、ぬってみたかった…”って確かに(*^-^)














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