最近、ちょっとがっかり気味だったのに、今回、オリジナルなのに意外とよかった黒執事第16話『その執事、孤城』感想です。
前回の予告でフィニ関係かと踏んでいたら、まったく当て外れでした(゚ー゚;
戴冠式前に王位を簒奪され暗殺された悲劇の少年王エドワード5世とその弟ヨーク公リチャードの二人の幽霊話でした。
セバスチャンとわずかな間でも、離されてオタオタ身支度するシエルがなんとも微笑ましい…。
でもって、わざとひとタイミング遅らせて、わずかな放置を楽しんでるセバスチャンってば、イケズ(イジワル)やなぁ…♪
今回はこの二人の関係が、本来の描き方がされていて安心して観れました。
(ここんとこ、あれぇ?な感じが多かったし。)
セバスチャンの19世紀末の400年前風(つまり500年以上前ね)のコスプレも様になってて良かったですよ♪
まあ、個人的には家庭教師バージョンが一番の好みですが。
何気にセバスチャンの受け答えが黒くて、久々に悪魔らしくてよかったし…。
やっぱり黒執事はこうでなくっちゃね。
あ、そうだ!小野Dさんの「Yes, Your Majesty」も今回の収穫だわね[E:heart04]
オリジナル回の中では、これまでで一番良かったんじゃないでしょうか。
EDも、こういう内容なら雰囲気がばっちり合ってると初めて思いました。
あ〜、それにしても、EDのラストカットは、もの凄〜く有名な19世紀の印象派の絵をモチーフにしてるんだけど…なんだっけ???
タイトルが思い出せん(;´д`)トホホ…
誰か教えて〜(泣)
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(あらすじ)
ファントムハイヴ社所有のラドロー城のホテル改装工事が、幽霊のために一向に進まないため、シエルとセバスチャンは現地へと赴く。
そこには、エドワード5世とその弟リチャードの幽霊が住みついていた。
400年前、エドワード5世とその弟はロンドン塔に幽閉後、暗殺されたのであるが、その魂が幼い頃過ごしたラドロー城に舞い戻ってきていたというのだ。
リチャードにセバスチャンが気に入られてしまったため、エドワードとシエルはチェス勝負でセバスチャンと城を懸ける。
エドワードのイカサマでシエルが負け、セバスチャンはエドワードに仕え、シエルは客人として留まることに。
暗殺された日の記憶はないというエドワード。
エドワードはリチャードが手にした骸骨を親族の骨を並べたチェス盤に並べれば、リチャードを成仏させ、自分も成仏できると考えていた。
しかし、無理矢理骸骨を奪って、チェス盤を完成しても何も起こらない。
骸骨はリチャードのでも、エドワードのものでもなかったのだ。
それを知られたくなくて、リチャードは渡そうとしなかったのだ。
リチャードはようやく嘘から解放され、エドワードもまた、自らの記憶に蓋をして自分自身に嘘をついていたことに気づく。
嘘からの解放が魂の解放となり、二人は成仏する。
城の保全を約束しておきながら、改築工事を進めるシエルの耳にエドワードの言葉が響く。
「嘘つきめ♪」
次回、『その執事、奉納』
家族で観るには多少問題ある映像…って、いつも、そんなもんじゃないんですか!?(笑)
エヘン虫のCMよろしく、しきりと咳払いするセバスチャン(小野D)がよかったです[E:heart04]
グレルがまた登場するのも楽しみですね!
葬儀屋とグレルの競演!?が見物です。
↓紳士淑女の皆様、クリックしていただけますか?(小野Dヴォイスを妄想すべし。)
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さて、恒例、イギリス・ちぇ〜っく!
(豆知識コーナー)
エドワード5世&ヨーク公(ノーフォーク公)リチャード
Sir John Everett Millais(サー・ジョン・エヴァレット・ミレー)作(1878年)の『塔の中の王子たち』という絵でロンドン大学の収蔵品。
今回は実在人物がモデルで、生い立ちや暗殺の経緯もほぼ史実(詳細は脚色ですが)。
エドワード5世(1470〜1483?)は即位前はラドロー城に本当に住んでいた。
リチャードのフルネームはRichard of Shrewsbury, 1st Duke of York and 1st Duke of Norfolk(シュルーズベリー生まれだったので、“シュルーズベリーのリチャード”にして、ヨーク公でノーフォーク公)(1473〜1483?)。
ロンドン塔に幽閉当時、エドワード5世は12歳、ヨーク公リチャードは9歳なので、『黒執事』のリチャードはちょっと小さいかな?
幽閉の理由は、叔父にあたるグロスター公リチャード(後のリチャード3世)に、“両親の結婚が無効(父エドワード4世に重婚の疑いあり)である”といちゃもんを付けられて、私生児扱いにされたため。
行方不明という扱いになっているが、永く暗殺はリチャード3世(グロスター公)の仕業だと信じられて来た。最近では、リチャード3世を打ち負かし、王位に即いたヘンリー7世も怪しいとされている。
シェークスピアの戯曲『リチャード3世』でも、この幼い二人を手にかけたらしいことが出てくる。
(参考:エドワード5世wiki、リチャード・オブ・シュルーズベリーwiki、ジョン・エヴァレット・ミレーwiki)
ラドロー城
11世紀後半にノルマン人の辺境貴族によって建てられ、14世紀初頭にロジャー・モーティマーにより立派な城として拡張された。15世紀にはエドワード4世の父のヨーク公リチャードに引き継がれ、バラ戦争を経て王室の物となった。
1811年にポウィス伯が王室より買い取り、今に至る。
伯爵家が所有しているという点は史実と同じだが、もちろんファントムハイヴ家では…ないわな(笑)
ラドロー城は、今でもホテルなんかに改装されることなく、現在も遺跡として保存され、観光地となっている。城下町は指定建造物が多く、小さいが美しく活気のある町として知られているようだ。イギリスにはしては珍しく(笑)、ミシュランの星付きレストランも多いらしい…。
(参考:ラドロー城wiki、英国政府観光庁公式サイト“visit Britain”内