2009年9月5日土曜日

東京マグニチュード8.0 第8話『まっしろな朝』感想

放送エリアの関係で、この作品は1週間遅れの感想です(汗)。



混線する未来の記憶。
だから、時系列も混乱している…。
未来の視点では、すべてがまるで夢のようだ…。



だが、あれは夢ではなく、すべて未来にとっての現実。



未来が必死で記憶の隅に押しやった辛い現実。



そして、辛い一夜が明けた時、
弟との約束どおり「家に帰る」ために、
立ち上がって進むために、



未来の精神は自らの心を守るため、
辛い記憶を一時封印していた。



きっと「家に帰る」という約束が果たされる、その時まで。






悠貴が亡くなったことは、ほぼ間違いないだろう。



なぜなら、これまでそれぞれの登場人物の視点、または視聴者の視点で描かれているのだが、今回、悠貴の視点で描かれることはもうない。



そして、真理の視点の中には、もう元気な悠貴は現れない。
それ以上に、どう見ても、手術後の医師の宣告、死後の事務手続きや未来の両親への災害ダイヤルを通じての報告、未来への言葉…。真理の視点で描かれる現実は悠貴の死を示している。



悠貴が亡くなっていたとして、あの朝未来が見た悠貴はなんなのかということになるが、あれは悠貴の創り出した幻…というより、本当に悠貴(魂)は未来の傍にいるのだと思いたい。



だって、一緒に「家に帰る」って約束したんだから。



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私も実は阪神淡路大震災の被災者だ。
被災地もろの場所だったので、家も半壊したし、電車の動いている駅まで倒壊した新幹線の高架の下をくぐり、延々と歩いていって、半日以上かかって少し離れた親戚の家に避難したりもした。
出社後は営業だったので、被災地を広い範囲にわたって、この目でつぶさに見ることにもなった。数日後に倒れた三ノ宮のあのビルのあたりにも行った。
消防関係者や役所関係の人に当時の様子をつぶさに聞いたこともある。



彼らも同じ被災者でありながら、冷たいおにぎりだけを食べ、1ヶ月近く、満足に眠ることも許されず、休みなしで、風呂にも入れず、真っ黒になって働いていた。



身内は幸い無事だったが、あの地震で家族ぐるみで遠くへ転居し、仕事も変えた友人もいた。
地震があったから再会して親交が深まった友人もいる。
会社はなんの助けもしてくれなかった。
あの地震で自分の中でも何かが壊れ、ゆっくりと新しく復興していったが、それは長い時間と痛みを伴う作業だった。



それでも、地震直後の数週間は、どこか心の感覚が痺れたようで、辛いのに辛く感じない時期もあった。だから、なんとなく未来の今の気持ちも分からなくもない。



何か今でも、被災地の映像を見ると、胸が痛い。知らないうちに涙が出ることもある。



だから、『東京マグニチュード8.0』を観ていると辛い反面、
正直、「こんなもんじゃねぇ!!」という想いが強い。
建物の壊れ方だけリアルでも、後はなってないという気がする。
現実はもっと厳しい。
あらゆることが。
各方面に協力を得て、製作している以上、建前を崩せない部分もあろうが、悠貴の死でもって帰宅困難者の問題を提示できるものだろうか…。



(東京都の計画では、帰宅困難者の扱いがいい加減すぎると思うのだ。)



悠貴のように帰ろうとすることで、命を失うこともある。



それも、多くの人が。



今後の描き方でこの作品の存在価値が問われると思う。



まあ、多分、未来は前を向いて進むしかないのだ。



かつて、私たちがそうだったように。




1 件のコメント:

  1. こんばんは、いつもTB等でお世話になっております。
    「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」の管理人のピッコロでございます。
    記事とは関係のないコメントで大変失礼いたします。
    まず最初に、お忙しい中「今期終了アニメ評価をしてみないかい?5」の企画に参加して頂きありがとうございました。お礼に伺うのが遅くなり大変申し訳ございません。
    最終集計結果について当ブログにて発表を行っておりますので、一度見て頂けると幸いです。
    そして今回も、「今期終了アニメの評価をしてみないかい?6」と題しましてアニメ評価企画を立ち上げました。また、この企画に賛同して頂けるのであれば是非参加していただければと思います。
    なお、投票方法等についての詳しい事は以下の記事に書いておりますのでご覧ください↓
    http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51318388.html
    宣伝大変失礼いたしました。どうか今後とも末永いお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

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